
DO-IT Japan がスタートした 2007 年から、私たちは障害などで学習に困難のある生徒の学習における IT の活用を推進するために、その人の困難にあった IT 機器の設定やアドバイスなどを行ってきました。その結果、一定の成果が現れてきたと考えています。
しかし、DO-IT Japan の障害のある生徒たちが IT を活用して学習するチャレンジをする中で、彼らは「試験」という壁にぶつかってきました。
障害のある生徒たちの中には、IT 機器がなければ普段の勉強ができない生徒たちがいます。パソコンがあれば、例えば肢体不自由のため鉛筆で文字を書けなくてもキーボードで入力することができます。視覚障害のため文字が見えなくても、音声読み上げ機能で耳から聞いて学ぶことができます。しかし、学校での定期試験や、ましてや入学試験では、パソコンなどの IT 機器を使用することが認められにくいという現状があります。
「パソコンで試験を受ける」というと、「不正ができてしまうのでないか」と考える人がいます。
しかし、鉛筆を持つのが難しいために、普段の勉強をパソコンで行っているので、試験のときに急に鉛筆を使うのは難しいことです。
「合理的配慮」、英語で「Reasonable Accommodation」という言葉があります。
2006 年、国連本会議において採択された「障害者の権利に関する条約」にも明記されている概念で、日本でも、2011 年に改正された障害者基本法において「合理的な配慮がされなければならない」と書かれています。
私たちは、例えば肢体不自由があって鉛筆での筆記ができない人が、試験でパソコンのキーボードを使って文字を書くことは「合理的配慮」にあたると考えます。
もちろん、「不正」についての心配もわかります。配慮が合理的であるためには、障害のある受験生や試験を実施する機関など、周囲の人々も納得できる手続きが必要です。
テクロノジーを活用することで、不正を行うこともできます。しかし、テクノロジーを活用することで、不正をなくすこともできます。
私たちは、その方法も開発・提案していきます。
私たち「DO-IT 学習における合理的配慮研究アライアンス」では、テクノロジーで「合理的配慮」の実現をバックアップし、障害のある生徒達の学ぶ機会を広げていきたい、そう考えています。