DO-IT(Diversity, Opportunities, Internetworking and Technology) Japanとは
DO-IT Japan(ドゥーイット・ジャパン)は、障害や病気のある子どもたちや若者から、将来の社会的なリーダーを育て、共にインクルーシブな社会の実現を目指すプロジェクトです。東京大学先端科学技術研究センター、共催企業・協力企業との産学連携により、2007年から活動を続けています。
DO-IT Japanでは、テクノロジーを活用して自分の特性に最適化した学び方を体験すること、大学に進学した後のキャンパスライフと自立生活を体験すること、インターンシップや海外研修への参加、オンライン・オフライン両方で行われるDO-ITコミュニティへの継続的な参加など、多様な機会提供を行なっています。こうした機会を通じて、多様な価値観を持つ大人たち、同世代の仲間たちとの交流や情報交換が行われています。
これらの経験から、障害や病気のある若者は、個別最適な学び方・働き方・生活の仕方、障害の社会モデル、自立や自己決定、セルフアドボカシー(自己権利擁護)などの考え方を学ぶことに加えて、将来の夢の実現や、社会活躍とリーダーシップに関する学びの機会を得ることができます。
DO-IT Japanは、プログラムに参加した若者の中から、社会で活躍するリーダーが育つことを願い、活動を続けています。
DO-IT Japanの3つのプログラム
DO-IT Japanは、大きく分けて以下の 3つのプログラムから構成されています。
- スカラープログラム
- パルプログラム
- スクールプログラム
各プログラムの詳細は、以下をご覧ください。「活動報告書・ムービー」も、併せてご覧ください。
Scholar Program スカラープログラム
障害や病気のある若者を対象とした参加型プログラムです。毎年春に参加者の募集が行われます。選抜者は「スカラー」と呼ばれます。スカラーは、年間を通じた様々なプログラムに、継続して参加することができます。
PAL Program パルプログラム
障害や病気のある本人(年齢は問わない)と、その保護者を対象とした登録型プログラムです。常時、ウェブサイトで参加登録することができます。登録者は、登録者向けのセミナーへの参加、メールマガジンを講読することができます。
School Program スクールプログラム
障害や病気のある若者に関わる学校・教員を対象としたプログラムです。学校内にインクルーシブな学習環境を整備する ことを目的とし、共催・協力企業と共に、テクノロジーやサービス・支援に関するノウハウを提供しています。
受賞歴
- 2011年 第42回博報賞(特別支援教育部門)
- 2011年 文部科学大臣奨励賞受賞
DO-IT Japanの共催・協力・後援
共催企業2社の皆様と連携し、プログラムの運営や企画開発を行っています。また、協力企業や官公庁の皆様からも、運営のご支援や応援をいただいています。個人として活動や運営をサポートしてくださる皆様にも支えられています。
企業名をクリックすると、該当するウェブサイトが開きます。
共催企業(2023年度)
日本マイクロソフト株式会社
夏季プログラムに参加する2023スカラーが、最も関心のあるセッションの一つに毎年挙げているマイクロソフト社サイトビジット、数年ぶりに現地への訪問が復活です!マイクロソフト社の皆様とDO-ITが学びのプログラムを作成し、品川本社のオフィスを会場に、最新のテクノジーや生成AIによる未来の学び方や働き方を学ぶセッション、最高技術責任者である野嵜弘倫さんによる特別講義、そしてオフィスツアーを実施いただきました。ノベルティグッズ等のご提供もいただきました。
P&Gジャパン
障害のある人の職業での成功を支援する研究分野では、「職業準備性」と呼ばれる障害者側のスキル育成について注目が集まりがちですが、障害のある人とともに働くことで、周囲で同僚として働く人々にどのような意識や行動の変容が期待されるのかも重要な要素です。実際にインターシップ・プログラムを通じてともに働くプログラムを運営しつつ、社員の側の意識変容をもたらすものは何かを検討する「Disability Confidence Survey」の開発
と実施を行いました。
協力企業(2023年度)
一般社団法人コペルニク・ジャパン
途上国の抱える社会課題や環境問題を
見極め、その解決策を見つけ、その効果を
実証した上で展開を支援するコペルニクの
皆さんに、どのように課題解決を行うかを
学ぶ講義を提供いただきました。世界中に
存在する社会課題に私たちが取り組むために
必要なことは何か?について議論しました。
株式会社atacLab
自分の読み書きの速度を同学年の
標準値と比べて客観的に評価できる
「URAWSSII」等をご提供いただきまし
た。時間延長やタイピング入力の配慮
を求める際に、エビデンスを持って他
者に説明する重要さを学ぶためのツー
ルとして使用させていただきました。
オムロン株式会社
日本の障害者雇用の黎明期を支えた
オムロン社と太陽の家の連携から始ま
り、現在のオムロン社が取り組む「人と
機械の高度協調」が実現している障害
のある人々を包摂した働き方について
学ぶ講義をご提供いただき、インクルー
シブに働くことについて議論しました。
株式会社カプセルアシスト
プログラムやイベント等で「遠隔文字
通訳」を実施していただきました。音声
での会話をリアルタイムに文字にするこ
とは、発達障害など、聴覚障害以外の
障害から聞こえに困難を持つ人々が、会
話の流れを把握するためにも便利に活
用できることを教えていただきました。
株式会社リコー
自分を取り囲む全ての景色を撮影で
きる360度カメラ「RICOH THETA(リ
コーシータ)」について、及びTHETA
を使って世界の社会課題を可視化する
取り組み(一般社団法人コペルニク・ジャ
パンとの協働)についての講義を提供
いただきました。
GKデザイングループ
共同研究者として参画するインクル
ーシブデザインラボラトリーにおいて、
STEM 分野で障害のある学生や研究者
のため、アクセシブルな実験室のデザ
インを検討されています。夏季プログ
ラムでは、科学実験ワークショップ時
に実験用什器のプロトタイプを活用さ
せて頂きました。
TOPPAN株式会社
夏季プログラムに参加する小学生向
けに「絵本のページをめくると、その中
身が流暢な声で読み上げられ、聞いて
楽しむことができたら…」を実現する
読み上げ機器「Yondee!Ⓡ」を使って、
今までとは違う読書を体験するプログ
ラムを提供いただきました。
合同会社nicomo
車いすといえば「段差が大変」…しか
し、段差や悪路を乗り越えて、自由に
走ることができる車いすもあります。夏
季プログラムで、さまざまな機能のあ
る特殊な車いす製品を貸与いただき、
行きたい場所に行くことの可能性を広
げる体験を行いました。
ソフトバンク株式会社
夏季プログラムでは、小中学生が参
加する学びのプログラムや、遠隔から
参加する参加者向けの情報保障など、
さまざまな場面でタブレットやスマホが
大活躍します。プログラム実施のため、
参加者用に「iPad」やスマートフォンを
貸与いただきました。
トヨタモビリティサービス株式会社
車いすでスムーズに乗降できる機構
を持った車で自由に移動できる機会や、
それが手軽にレンタルできるサービスが
あることを知ることは、将来の生活を
広げるイメージを持つ上で重要です。夏
季プログラムに複数台の「ウェルキャブ
(福祉車両)」を貸与いただきました。
フォナック補聴器
難聴等により聴覚情報処理に困難さ
のある参加者にとって、聞こえを助ける
テクノロジーの存在は、学びができる
か否かを左右する重要なポイントです。
夏季プログラム等に、デジタルワイヤレ
ス補聴援助システムRoger(ロジャー)
シリーズを貸与いただきました。
後援(2023年度)
厚生労働省
文部科学省
DO-IT Japanをサポートしてくれている人々
- 講師・話題提供者 35名(7大学、13企業・団体)
- 大学生チューター・アテンダント 23名(チューター9名・アテンダント14名)
- スタッフ・アドバイザー・ボランティアスタッフ 39名(12大学、10企業・団体)
その他、多くの方のご寄付・ご協力をいただいております。深く感謝申し上げます。