プログラム概要

スカラープログラムは、障害のある若者を対象としたリーダー育成プログラムです。年度末にウェブサイト上に募集要領が掲載され、春に参加者の募集を行っています。以下の2つの枠で、プログラム参加者を募集しています。

(1)スカラープログラム (メインプログラム)

対象:障害や病気のある※1中学生から大学院生

毎年春にプログラム参加者の募集が行われ、選抜された生徒・学生は「スカラー」と呼ばれます。彼らは、夏季プログラムからスカラープログラムに参加し、その後開催される様々なプログラムに年間を通して継続的に参加することができます。

スカラーは、様々に用意されたプログラムの参加に加え、そこで出会う多様な障害のある仲間やピア、障害支援の専門家など、多様な価値観をもつ人と出会い、意見交換する機会を得ます。これらのプログラム参加や機会を通じ、社会で活躍する「リーダー」が育つことを期待しています。

※1 障害の種別は問いません。障害や病気の認定については、医師による診断があることを基本としますが、診断がなくとも、読み、書き、コミュニケーションに困難がみられる等の専門家による明確な示唆(検査や教育相談を通じたもの)がある場合も、応募資格があります。

求める参加者像

  1. テクノロジーを活用した多様な学習方法を知り、実践を希望していること
  2. スカラープログラムへの参加を強く希望していること
  3. 進学/就労へ向けた意欲があること
  4. 自分の興味や関心のある物事について探求していること
  5. DO-IT Japanが目指す、多様性理解を広げることに関心があること、またその活動に向けてリーダーシップを発揮できること
スカラー年間スケジュールの図(ブローシュア3ページ目)

プログラムスケジュール

プリプログラム(準備プログラム) ※その年度に選抜されたスカラー対象

夏季プログラムへの参加に向けて、初年度のスカラーは、夏季プログラム参加の準備プログラムとして、プリプログラムにオンラインで参加します。プリプログラムは、7月の毎週金・土曜日に、各2時間行われます。
各会に、テーマが設けられています。テクノロジーの基礎的な使い方を知ることに加え、一緒にプログラムに参加する仲間やスタッフとの交流、 障害の社会モデルや合理的配慮の考え方についての知識を得る、他者との比較を通じて、自分自身のニーズや希望する配慮のあり方(指示されたことを行うのではなくて、自分がやりたいと思っていることは何か、そして、どんな準備が必要か、周囲に求めるべきことは何か等)や伝え方について、考えを深めます。

DO-ITは、さまざまな可能性や選択肢について例を示したり、学ぶ権利や、本人の意思が尊重される機会となるようにスカラーの学びを支えています。またそこでは、障害のあるピアスタッフや先輩スカラー、障害の社会モデルや合理的配慮についての専門家が、この段階からプリプログラムの実施に関わり、 新しく選抜されたスカラーと対話や関係性づくりを始めています。

8月上旬、数日間の「夏季プログラム」が、東大先端研を主な会場として行われます。夏季プログラムでは、「テクノロジーの利用」、「自分自身や障害についての理解」、「セルフアドボカシー」、「自立と自己決定」の、4つのテーマを軸としたプログラムが行われます。

夏季プログラム1日日

1日目は、夏季プログラムのオリエンテーションや、「ピアと出会う」機会を設けています。
同期のスカラーや事務局スタッフ、また、DO-ITの活動を応援してくれている先端研内外のスタッフ、障害についての専門性のあるアドバイザー、大学生となっている先輩スカラー、大学生チューターなど多様な人たちと出会います。DO-ITの夏季プログラムでは、「ロールモデルと出会う」ことも重要視しています。

大学内でのプログラム後は、自分が泊まるホテルへ、チェックインします。自分で道を調べたり、介助者を利用して移動する体験をするなど、スカラーたちは自分が決めた方法や時間で移動する体験をします。あまり懇切丁寧に引率をせず、本人の準備や決定を尊重します。そこで失敗することもありますが、失敗から学ぶことや試行錯誤することを歓迎しています。

ピアと意見交換をするスカラーたち
自分が調べた道を同期スカラーと共に歩くスカラー

夏季プログラム2日目

2日目は、「大学生活」をテーマとし、大学の講義受講や、キャンパスめぐり、支援室を訪問する機会を設けています。
初等中等教育でよく行われている受動的な講義の受け方ではなく、ディスカッションしながら行われる能動的な大学講義の受講を、スカラーたちは体験します。 東大の支援室にも訪問し、実際に支援に関わるスタッフから、行われている障害のある学生への支援について話題提供を受ける体験をします。

また、スカラーたちは、「合理的配慮を求める」体験をします。このプログラムは、自分の配慮を、実際に相手に求めていくロールプレイとディスカッションの時間を設けています。 スカラーたちは、プリプログラムで作成した、自分が配慮を求めたい場面を1つ設定し、自分が考える合理的配慮をまとめたスライドを元に発表します。

スカラーたちにとっては、自分の配慮を相手に伝え、対話し、合意形成を育む体験となっていることはもちろん、他のスカラーの説明や、それに対する教職員からの返答、先輩やスタッフの助言などを聴くことで、障害の種別を超え、似たような困難があることに気づいたり、ニーズを説明する方法や、参加の仕方を工夫する方法を、多面的な視点から学ぶ機会となっています。
また、実際に自分が配慮を求めたい具体的な場面を設定することにより、 スカラーたちが、自身の所属する学校や受験する大学へ、配慮を申請する、自己決定やセルフアドボカシーを発揮する行動に繋がっています。

作成した自身のパワーポイントを用いてニーズをプレゼンするスカラーたち

夏季プログラム3日目

3日目は、「テクノロジー」をテーマとし、最先端のテクノロジーに触れたり、自分にあったテクノロジー利用を見つける機会を設けています。
共催企業の、日本マイクロソフト株式会社・品川本社に訪問し、最先端のテクノロジーに触れるワークショップや講義にも参加します。実際に、社員として働くスタッフと意見交換することで、将来の自分の働き方についてイメージを持つ時間を、スカラーたちは体験します。

その後は、自分にあったテクノロジーを体験するため、自分が希望するテーマを扱うグループに移動し、先輩スカラーや専門性のあるスタッフと共に、テクノロジーフィッティングを行います。

※実際にどのように、テクノロジーフィッティングをしているのか、スカラーたちがどんな風にテクノロジーを利用しているのかをまとめた記事を、ウェブサイトに掲載しています。字幕ありの動画と、使用している機器の説明を掲載しています。

マイクロソフト社員よりテクノロジーについて話題提供を受けるスカラー
テクノロジーフィッティングの様子(アームやスイッチを試す)

夏季プログラム4日目

4日目は、「多様な価値観にふれる」をテーマとし、大学の講義のように、同時間に複数セミナーが設けられており、自分が行きたいところを選び、参加する機会を設けています。この日は、初日から夏季プログラムに参加しているスカラーに加え、過去に選抜されたスカラーたちも集まります。 「特別聴講生」も加わり、多様な意見が飛び交う時間となっています。

どのテーマにも共通することとして、インクルーシブな社会参加に関係する多様な価値観や活動に関係することを据えています。個々のテーマでのトップランナーを講師として招き、スカラーと講師がゼミのような形で議論を交わすカリキュラムを作っています。

セミナーで意見をいうスカラーの写真
セミナーで意見をいうスカラーの写真

夏季プログラム5日目

最終日は、「社会へ発信する」をテーマとしています。
新規スカラーたちは、夏季プログラム参加を通し、自分の目標や考え方について振り返る時間、 そして、一般公開シンポジウムに参加し、自らの意見を社会に発信したり、交流会にて、更に広いコミュニティーにふれる機会を設けています。

自分の意見を大勢の人の前で話すスカラーの様子
交流会で乾杯する児童生徒たち

オンラインでのミーティングプログラム(オンラインメンタリング)

主にZoomを通じて、オンラインミーティングを定期的に実施しています。各月にテーマが設けられており、スカラーそれぞれが自分の意見を発言しあい、活発な意見交換が行われます。スカラーが話題提供者となり、自分の考えや経験を後輩に伝える会もあります。

オンラインミーティングは、テーマに対する意見発信だけでなく、自分の配慮を求めたり多様性を知る機会にもなっています。「口頭での会話が難しいため、チャットを利用したい」、「聞くことや話された内容を頭の中で整理することが難しいため、会話をテキストで可視化したい」、「見ることや読むことが難しいため、チャットを読み上げたい」など。自分が参加する上で必要な配慮を考え、事前に相談したり配慮を求めたりする自発的な行動や、他のスカラーの準備や配慮を知る機会にもなっています。

ロボットを使い遠隔でミーティングに参加するスカラーの様子

ギャザリングの実施、イベントへの参加

トピックを決めて意見交換をするオンラインミーティングに加え、自由にスカラー同士が会話しあう機会として、「ギャザリング(茶話会)」を、主に東大先端研を会場として実施しています。遠方であったり、会場へ参加が困難なスカラーは、テレビ会議を使い、遠隔からギャザリングに参加しています。

また、テクノロジーカンファレンスなど、外部で開催されているイベントへ、関心があるスカラーが参加しています。

テクノロジーイベントに参加し体験するスカラーたち

海外研修プログラム

幅広く視野をもてるリーダーの養成を目的として、海外研修プログラムを行っています。文化やライフスタイルを含めた、海外の多様な価値観や社会制度などを実際に体感する経験を得る機会をもつことができます。関心のある大学生のスカラーが選抜され、プログラムに参加しています。

団体へ訪問し、意見交換しあうスカラーの様子
大学へ訪問し、セルフアドボカシー、アドボケイトについていけん交換しあうスカラーの様子

メーリングリストでの情報交換

全国や海外にいるスカラー同士が、オンライン上で自由に、近況報告、情報提供・共有、悩みや困りごとの相談、ディスカッションなど、幅広い内容のやりとりをするために活用しています。

メーリングリストには、DO-ITスタッフやアドバイザーも登録されており、情報提供や、スカラーからの受験や生活についてアドバイスを行う場所としても利用されています。

パソコンでメールをやりとりするスカラーのイラスト

個別相談の実施

個々のスカラーが直面している問題や困難の解決に関わる相談を、共に考える機会として個別相談を行っています。

スカラーは、自分にとって必要不可欠な配慮を、学校、高等教育機関、大学入試センターなどに求める活動に対し、DO-IT Japanはスカラーから希望や考えを聞き、「セルフ・アドボカシー(自己権利擁護:自分にある権利を主張し、自分が参加する活動に対し、必要な配慮を説明し求めていくこと)」が実現するよう、必要な情報やアセスメントの実施を行っています。

個別相談をするスカラーとスタッフの様子

スカラーのDATA(2020年度)

スカラーの人数と進路

・	スカラー総数:125名  ※ジュニアスカラープログラム(2013から2015年に実施)終了により上記統計から除外。退会者を除く。 ・	大学進学:103名 ・	就職:54名 ・	大学院、専門学校進学:14名

スカラーの出身地

・	2020年度:東京都、埼玉県、山形県、静岡県、京都府、島根県 ・	2007~2019年度:秋田県を除いた都道府県

スカラーの障害内訳 

スカラーの障害内訳(名) ※円グラフを使用。はスカラー総数125名の障害内訳を掲載(重複あり)。 ・	ASD:36名 ・	LD :25名 ・	ADHD:12名 ・	身体障害:58名 ・	視覚障害:12名 ・	聴覚障害:11名 ・	精神障害:4 ・	高次脳機能障害:4名 ・	病弱・虚弱:11名 ・	盲ろう:1名 ・	その他:5名

スカラーが得た入試における配慮事例  

※その他、時間延長、別室受験、必要な用具の持ち込み許可などの配慮の実例あり。

高校入試

肢体不自由のある生徒

  • 2016年:代筆 [公立高校/5教科]

LDのある生徒

  • 2011年度 問題文の代読 [公立高校/5教科]
  • 2014年度 PCのキーボード使用・解答 [公立高校/5教科]
  • 2015年度 PCの音声読み上げ機能を用いた問題文の読み上げ、代筆、PC のキーボード使用・解答、電卓の持ち込み・使用 [服飾系専門学校/2教科・小論文]
  • 2016 年度 PC の音声読み上げ機能を用いた英語の問題文の読み上げ、問題文の代読、PC のキーボード使用・解答、用紙の色の変更・拡大 [公立工業高等学校]

大学入試

肢体不自由のある生徒

  • 2007年度 PC のキーボード使用・解答 [センター試験・国立大学/一般入試]
  • 2010年度 数式入力ソフトの使用・回答 [センター試験・国立大学/一般入試]
  • 2013年度 理系科目(数学、物理、化学)の1.5倍の時間延長、代筆 [センター試験・国立大学/一般入試]
  • 2016年度 PCのキーボード使用・解答、代筆 [センター試験・国立大学/推薦入試・一般入試]
  • 2019年度 電卓の持ち込み・使用、代筆 [共通テスト・国立大学/一般入試]

LDのある生徒

  • 2009年度 1.3倍の時間延長 [センター試験]
    ※高次脳機能障害によるディスレクシアのある生徒。次年度より、大学入試センターの配慮区分に「発達障害」が加わる
  • 2011年度 PCのキーボード使用・解答 [国立大学/AO入試(小論文)]
  • 2014年度 問題文の代読 [センター試験・私立大学/一般入試]
  • 2016年度 PCのキーボード使用・解答 [私立大学/推薦入試(小論文)]

視覚障害のある若者

  • 2015年度 問題文の代読 [センター試験]

難病のある生徒

  • 2018年度 特別な補助装具の持ち込み・使用 [センター試験・国立大学/一般入試]

(2)スカラープログラム特別プログラム「特別聴講生プログラム」

対象:障害や病気のある※1小学3年生から中学生

小学生の時から、様々な学び方と多様な価値観にふれて、子どもたちの学びの芽を育てることを目的にしています。プログラム参加者は、スカラープログラム内で行われる「夏季プログラム」中に、①テクノロジーコース「テクノロジー体験」、②ダイバーシティコース「多様な価値観との出会い」のどちらかに参加することができます。また、年度末まで、事務局へ個別相談をすることができます。

求める参加者像

  • テクノロジーを活用した多様な学習方法を知り、実践を希望していること
  • 特別聴講生プログラムの参加を強く希望していること

提供プログラム (プログラムは毎年変更します) 

プログラムは、選抜された年度末まで提供されます。

  • 夏季プログラム内で行われる特別聴講生用プログラム(1日):①テクノロジーコース、②ダイバーシティコース
  • 個別相談

※1 障害の種別は問いません。障害や病気の認定については、医師による診断があることを基本としますが、診断がなくとも、読み、書き、コミュニケーションに困難がみられる等の専門家による明確な示唆(検査や教育相談を通じたもの)がある場合も、応募資格があります。

タブレットを持って遊ぶ児童のイラスト

メディア・受賞歴

2020年度メディア  (2019年12月から2020年12月)  ※一部抜粋

  • 2019年4月12日  朝日新聞 脳性まひの19歳、国立大に合格
  • 2020年8月24日  北海道新聞 多様な学習法見つけた夏
  • 2020年9月12日  朝日新聞 輝く教育 公平な入試へ 合理的配慮を
  • 2020年11月21日 京都新聞 弱視生徒、盲学校から普通学校へ
  • 2020年12月10日 教育家庭新聞 DO-IT Japan2020 一般公開シンポジウム開催
  • 2020年12月16日 毎日新聞 DO-IT Japan2020 一般公開シンポジウム開催

受賞歴

  • 2011年 第42回博報賞(特別支援教育部門)
  • 2011年 文部科学大臣奨励賞受賞

スカラープログラムの応募方法

ポストへ募集書類を投函するイラスト

DO-IT Japanは、毎年春に、新規年度プログラム参加者(スカラー)を募集します。
応募の詳細は、DO-IT Japanウェブサイトやチラシ等で募集発表します。

2021年度スカラープログラム募集は締切ました(締切:5月10日)。
たくさんのご応募をありがとうございました。
翌年度の募集については、決定次第ご案内いたします。
参考に、2021年度スカラープログラムの応募案内を以下に掲載します。


Scholar Program スカラープログラム

メインプログラム

対象:中学生、高校生、高卒生、大学生、大学院生

PAL Program パルプログラム

情報提供

対象:児童生徒・学生とその保護者

School Program スクールプログラム

環境整備

対象:学校、教員

Take part in

「スカラープログラム」に
応募する

障害のある生徒・学生を対象とした参加型プログラムです。選抜された生徒・学生は「スカラー」と呼ばれます。スカラーは、年間を通じた様々なプログラムに長期的に参加することができます。

その他、スカラープログラムの一部を体験することができる枠として、児童・生徒(小学3年生以上)を対象とした特別聴講生プログラムの実施や、夏季プログラムを一部聴講することができる夏季プログラム聴講生の選考を行っています。

2021年度スカラープログラム募集は締切ました(締切:5月10日)。たくさんのご応募をありがとうございました。
翌年度の募集については、決定次第ご案内いたします。

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障害のある本人(年齢は問わない)と、その保護者を対象とした、情報提供することを目的とした登録型プログラムです。

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常時、ウェブサイトで登録が可能です。
以下の「登録方法を確認する」より、パルプログラムの詳細・登録方法をご覧ください。

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