DO-IT Japan 2010Report 障害のある、あるいは病気を抱えた学生のための大学・社会体験プログラム Disabilities, Opportunities, Internetworking, and Technology Japan 【見出し記号の凡例】 見出しレベルの大きいものから小さいものの順に、次の記号を使用しています。 ## 見出しレベル1 #  見出しレベル2 ■ 見出しレベル3 □ 見出しレベル4 【見出し記号の凡例 終わり】 ##閉塞した現代社会に風穴をあける #現代社会に漂う閉塞感  うつ病等の気分障害の患者が100万人を越え、ニートが64万人、ハウジングプアの状態にある人が10万人を超えると推定されている今、問題解決の糸口が見つからず社会に閉塞感が漂っているように見受けられます。この状態に風穴を開けられる要素はどこにあるのでしょうか。私たちは、障害や病気による困難を抱えた若者に、ヒントがあるのではないかと考えています。   #閉塞感に風穴を開ける「合理的配慮」  DO-IT Japanでは、2007年から大学受験における配慮申請について、その合理性を示すエビデンスを準備するなどの活動を障害学生と共に行っています。2009年度には、不随意運動のある肢体不自由の学生が、大学センター受験でパソコン利用が認められる等、少しずつ変化が生まれてきていますが、この例以外にはパソコン利用はほとんど認められていないのが実情です。  鉛筆が持てない肢体不自由の学生に、解答用紙に書けというのは無理な話です。そのため、このような学生は「解答時のパソコン利用」などの配慮を申請することになります。腕の筋力が低下したA君は、指先でジョイスティックを操作して車いすを動かしたり、スクリーンキーボードを利用して勉強したりメールを書いたりしています。A君は大学受験に際し、小論文の試験に、スクリーンキーボードを使用して解答したいと大学に申請しました。しかし、ワープロソフトに漢字の変換機能がある点で不公平であるということを理由に申請は却下され、トラックボールで描画ソフトに文字を書くならばパソコンの利用を認めるという返答を得ました。このように一見配慮したようで実は配慮に欠けるような対応もあります。  入試におけるパソコン利用については、漢字について問う問題自体を出題しない、あるいは、漢字問題は配点から除外するなどのアイディアもあっていいと思います。しかし、合理性に関する議論は十分行われないまま、前例がないという理由で申請が却下されるケースが多数存在します。DO-IT Japanは若者たちと共に合理性に対するエビデンスを示すことで、今後も既存の大学入試制度に挑んでいきます。  配慮の提供なしには生きにくい人が大学だけでなく会社にも存在します。DO-IT Japanは配慮について合理的なデータをもって説明することで、閉塞した社会に風穴を開け、無理な努力をしなくても生活できる社会を実現できると考えています。 DO-IT Japan ディレクター 中邑賢龍 #Contents p.1 DO-IT Japan2010 夏期体験プログラム p.2 夏期体験プログラム スケジュール p.4 夏期体験プログラムを終えて p.15 社会体験プログラム p.21 小中学生向けプログラム p.22 一般公開シンポジウム p.24 DO-ITで社会を変える p.25 選抜プロセス・参加者データ/メディア紹介 P.1 ##DO-IT Japan 2010 (夏季体験プログラム) 2010/8/4-8/8 -DO-ITは夢を叶えるためのスタートラインを僕にくれました- #次の社会を担う若者たちを育てる  障害や病気をもつ若者にとって、「合理的配慮」を得ることは、入試に限らず重要なことです。日常生活や就職のような場面でも、自らの努力と根性で全ての解決を図るよりは、必要に応じてIT機器や他者の力を借りたり、環境を調整したりすることで本来の能力を発揮できるようになります。努力はそれからすればよいわけです。しかしながら、このように自らの要求と自らを取り巻く様々な状況をふまえて、知識と知恵をもち、周囲に働きかけることのできる人は多くありません。DO-IT Japanでは、下のように3つのステージと3つのプログラムを通じて閉塞した現代社会に風穴をあけ、次の社会を担うような若者を育てます。 #DO-ITの3つのステージと3つのプログラム ■小・中学生(Juniors) □リテラシーを育てる 身近なテクノロジーを活用した学習 能力評価と支援技術の適合 携帯電話を活用したコミュニケーション ■高校生(Scholars) □障害を理解し、配慮を求める 自分に合った支援技術の理解 障害に合ったパソコン・携帯電話の理解と実習 入試での合理的配慮の申請と報告 異種障害学生との討議 Living Libraryへ参加 企業訪問 講義への参加・研究室訪問 ■大学生(Leaders) □リーダーとしての先導的取り組み セミナー等での発表 Living Libraryにおける語り 支援技術を活用した先導的な講義参加の在り方研究 企業インターンシップ(予定) 海外研修(予定) P.2 ##DO-IT Japan 2010 夏季体験プログラム スケジュール P.3 スケジュールのページへのリンク http://doit-japan.org/report2010.html#schedule P.4 #障害とは、人がもっているものではなくて、社会が作り出しているものだと思います 粟井 優衣 大学進学を目指すにあたって不安なことを少しでも取り除きたい、将来法律家になって障害者としての視点を生かしていくために色々な考え方に触れたい、このような思いから参加したDO-ITでしたが、本当に多く最初に驚かされたのは、同年代のスカラーがどの人も、自分自身についてきちんと理解し説明する力や、自分の考えをはっきりと主張する力をもっていることでした。私は、今まで常にいわゆる健常者の中で生活してきたので、家でも学校でも、何も言わなくても周囲に配慮してもらい、手を貸してもらうことが、無意識なうちに当然なことのようになっている面がありました。また、逆に自分が少々の無理をしてでも周りと同じように振る舞おうとする意識もあったと思います。今回の期間中にも、最初は慣れない車椅子での移動を全て自力でこなそうとしていました。そんなとき、「大事なのは移動ではなくてその後にするべき事なのだから、自分の体力を考えてできない事は自分から誰かに頼むことをしなければいけないよ。」と声をかけられて、自分が無理をすることで他の人にも負担をかけていることや、自分の体を自分でも把握しきれておらず、先を見通せていないということに気づきました。自分で取捨選択をして誰かに頼むということは普段はあまりしない事だったので、いかにいつも周囲に甘えているかということを痛感しました。  もう一つの大きな経験は、テクノロジーの有効活用を学んだことです。マイクロソフト社や伊福部研究室では、様々な障害者が社会でいきていく上で必要な機能が最先端の技術で実現されていました。障害があっても、本当の意味で豊かな生活をすることが考えられていて感動しました。技術がもっと進んで普及していけば、障害が文字通り「バリア」でなくなるのかもしれないと感じました。障害とは、人がもっているものではなくて、社会が作り出しているものだと思います。私が障害者であるからこそ持つ事ができた考え方を発信していかなければならない、と改めて思うことができました。  5日間で出会った多くの人たちや、そこから学んだことは、これからの大きな糧になると思います。自分の甘さに気づかされることもあったけれど、社会に出て行く上でいちばん大切なことを教わった気がします。本当に充実した5日間でした。 ■家族から 粟井 小枝美  DO-IT JAPANのことを優衣を通じて学校の先生から紹介して頂き、この趣旨に思わず、本人はもちろん、親も即答で参加することを希望しました。  優衣は、歩行困難で行動が遅くても、何でも自分で頑張ってきました。しかし、大学に進学をしたら、どう生活をするのか、どう通学するのか、一人でやっていくには、不安なことでいっぱいでした。大学生活で、実際に何に困って、どうなるのかを色々考えているだけで、シミュレーションはしたくても、なかなか出来ません。  今回参加して体験できたことで、大学生活がより身近に現実的になりました。不安だったことがクリアになり、自信を持って、大学生活を過ごす希望が出てきました。また、同じように病気と向き合い、頑張っている友達に巡り会えたことが、彼女にとって、励みになり、さらに大きく前進させてくれると思います。  これからもスタッフの皆さんに支えられながら、仲間と共に頑張っていってほしいと思います。本当にこのようなプログラムに参加できたことを感謝しています。ありがとうございました。 P.5 #DO-ITに参加して、少しずつですが、自分の障害を受け入れていると思います 吉田 絢音 このプログラムに参加した5日間は、自分のことを知り、学び、自分と向き合えたと思います。また、自分と違った障害を持った人や、自分と同じ障害を持った人と触れ合うことで、たくさんの仲間ができたと私は思います。障害の種類は違うけれど、みんなそれぞれに、健常者との間に同じ壁を持っている、そんなことをDO-IT期間中、強く感じました。  普通学校に通っている私は、どうしてもその壁がはっきりと見えて、孤独感を感じていました。  しかし、DO-IT期間は、壁が全くなくなったわけではないけれど、薄くなったように思います。そして壁を薄くするには、自分で自分のことを相手に分かってもらい、相手に自分がどのようなことを必要としているのか、はっきりすることだと思いました。  このことは、大学や、社会に出るときに必要だと思います。  また、DO-ITに参加して、自分のことを支えてくださるたくさんの人がいることに、感動しました。自分一人で頑張らなくてもいいのかも、と肩の荷が少し軽くなったと思います。 今まで自分は障害者だから、きっとこれはだめだ、これはできない、と勝手に決めつけていたけれど、自分だって健常者と同じ人間なのだから、やってみる権利はあると思いました。それを一人で頑張らなくてもいい、時には周りの手も借りていいということを学びました。  私はDO-ITに参加する前は自分の障害がとても恥ずかしかったです。自分の障害がとても嫌でした。自分は障害者だと、障害を受け入れたくなかったのです。DO-ITに参加して、少しずつですが、自分の障害を受け入れていると思います。世界中の人の目の色や、髪の毛の色や、体型が違うことと同じで、障害もそれと同じことだと思いました。アクセサリーが少し多いだけだと。こういう風に考えることができたのは、自分にとって大きな一歩です。でも、こういう風に考えられるのは、家や、DO-ITにかかわっている時だけです。学校に行くとやはり障害は嫌だと思ってしまいます。少しずつ本当に少しずつ、学校でも障害はアクセサリーというように考えられるようにしていくことが今後の課題です。  自分を5日間支えてくださった企業の方、スタッフの方、スカラーの皆様、ありがとうございました。 ■家族から 吉田 紀子  娘が1歳の時に、難聴学級設立の運動を始めました。難聴学級の必要性を感じたけれど、引っ越してきた街にはそれがなかったのです。その時、どうして私には難聴学級が必要なのかということを、当事者である私自身が訴えなければ何も変わっていかないということを学びました。  娘にはDO-ITでの活動を通じて @当事者が必要なサポートについて具体的に訴えていくことの重要性 A当事者が自分の障害について詳しく説明できること B聴覚障害に限らず様々な障害のある人、またはそのサポートをしようとしてくれている人との仲間作り を学んできて欲しいと思い、参加を勧めました。現在思春期の只中にある娘は、親から言われることを素直に受け止められないときがあります。そんな時期でも他の大人からの助言なら素直に受け止められたり、年の近い先輩からのことばにはリアリティを感じられたりすることと思います。ここでの5日間を始まりに、これからも学び続けて欲しいと願っています。また、私自身も講義に参加させていただいたことをきっかけに、自分が学びたいことを改めて見つけることができました。  DO-ITに携わった全ての人々に心から感謝しております。 P.6 #できないことは仕方ないのだから気を楽にしてもいい 井上 恵理也 僕がDO-IT に参加して一番知ることができてよかったと思うことは、初日のアイスブレイクのときに、「障害者を障害者と言うのはおかしい」という考えを知ったことです。これは10スカラーの齊藤さんが言った言葉でした。それまで、僕は自分が障害者といわれることにそんなに抵抗はありませんでした。しかし、障害者といわれることに抵抗がある人の言葉を聞いて、これは自分だけでは考えることもなかった考えだと思いました。そして、自分のなかで少し存在していた「障害者と呼ばれることへの違和感」をよりはっきりとしてくれたので、この考え方にはすごく共感できました。  そして次に僕の気持ちを軽くしてくれたのは、DO-ITの基本方針として、できないことは仕方ないのだから気を楽にしてもいいと言ってもらえたことです。僕は学校で、大変で仕方がないのに重い荷物を無理して自分で持とうとするなど、できないことを他の人に頼むのにすごく気を遣っていました。しかし、この言葉のおかげでもっと気軽に頼めるようになれました。  それに今まで僕は同年代の障害をもつ人と会ったことがあまりありませんでした。そのなかでも今回のDO-ITでは、自分と同じ病気の人と会えたことがよかったです。そして少し驚いてしまったのは、その人が僕よりもずっと状態がよかったことです。僕は筋ジストロフィーという病気をもち、筋力がなくなっていく特徴があります。だから、少しだけいいなと思ってしまいました。  僕は最初とても緊張してしまってあまり話せなかったのですが三日目くらいには周りの人たちと普通に話せるようになりました。そして、せっかくDO-ITに参加して障害をもっている人たちと会えたのだからと、最後にはがんばって自分から話せていました。そのため、普段よりも積極的に自分の意見を言えたのでよかったです。  またDO-ITの期間中はとても忙しく、僕にとっては何より移動が大変でしたが、他の一緒に行動する人のおかげもあってなんとかなりました。東京は僕の地元(和歌山県紀の川市)よりもずっと電車の乗り降りが簡単だったことや、道に段差が少なくて移動しやすかったので、こんなに便利になっているのかとうれしかったです。  それでも実際は、とても疲れました。今回は五日間というごく短い期間だけだったので大丈夫でした。けれど、僕が大学生になって独り暮らしをするときには「毎日外を移動することができるようにならないと。」と思いました。それからヘルパーの人に介助や家事を頼むときには、ちゃんと伝えられるように気を遣わないといけないなあと思いました。  僕はDO-ITに参加していろいろなことを知り考えさせられて、とてもよい経験を得られました。 ■家族から 井上 麗子  息子、恵理也は小学校3年生のときに歩行が困難になり、電動車椅子に乗るようになった6年生ごろから急速に体力が落ち始め、中1のとき肺炎で入院して、夜間だけ人口呼吸器を取り付けるようになりました。私は何を希望に生きていけばよいかがわからなくなっていました。しかし息子は入院中、高熱と戦いながら「おれは死なへんで」といっていたそうです。  息子は変わりました。毎日欠かさず1時間程竹刀を振り、カロリーの高い食事を控えるようになり、今では人口呼吸器を外し、毎日元気に学校へ通えるまでになりました。大学進学、独り暮らし、そして社会で働くことを夢見ている息子にDO-ITは、大きな励みになると考え、息子に勧めました。 DO-ITから帰って来たその晩息子は、「自分は甘かった」といっておりました。自ら考え行動することをより深く気づかされたことは、大きな前進です。 これからも、DO-ITを通じて、人との出会いを大切にして、より大きく、羽ばたいてほしいと願っております。 P.7 #みなさんの障害について知っていることがあまりにも少なかった 木村 徹朗 私はこれまで障害があるためにできないことを周りの人に手助けしてもらうということをあまりしてきませんでした。それは例えば長距離の移動や、重い荷物を持つことなどですが、それがなぜかと考えたときに自分の中に「ただがんばりたい」というとても中途半端な気持ちがあったからだと気がつきました。しかし時にはそのために他の人に心配をかけてしまうことが何度もありました。  そのため私は今回のDO-ITに参加するにあたり人にものを頼むようにするという目標を立てました。しかし実際参加してみると「できるけどお願いする」、しかし「全て人任せにしてはいけない」というやり方はなかなか難しく、なれていない私には何を頼めばいいのか、何を頑張ればいいのかがよくわかりませんでした。  もう一つ私がこの期間中に感じたことは他のスカラーのみなさんの障害について知っていることがあまりにも少なかったということです。そのため始めは自分が困ることだけしか気遣いができず今相手が困っているということにすら気がついてあげられませんでした。そのたびにアドバイザーやチューターの方に注意されてしまうということがDO-ITの期間中に何度かありました。しかし一度わかれば後はお互いに助け合うことができました。この体験は私の大きな財産になったと思います。  私は、小、中、高と普通学校に通っていたこともあり、これまで自分を障害者だとはっきりと意識したことは一度もないように思います。障害者手帳も持っていますがあまり積極的には利用してきませんでした。しかしこれからは自分の障害についてもっと理解し周りの人にはない自分だけの武器にできればと思います。  DO-ITに出会えて本当によかったです。 ■家族から 木村 貴子  DO-IT Japan 2010の参加にあたって、多くの関係者の皆さまに大変お世話になりました。このプログラムの為に、早くから準備をしていただきました。その準備は大変であっただろうと思うと、今は感謝の気持ちでいっぱいです。  大学へ行きたい、大学でこんな勉強がしたい、将来こんな仕事がしたい、一人暮らしがしたい等、誰もが抱く夢です。障害を持つ若者が、実際に行動を起こしていることを知り、わたしは感動しました。  息子は、筋ジストロフィーのウールリッヒ型です。筋肉の力が弱いのが特徴です。 性格は、楽天的で、マイペースで、正直です。「がんばったらできる」「なんとかなる」と、息子はよく言います。正しいのですが、これからは、がんばるところと、がんばらなくてもいいところを見分けて、積極的に行動をしてほしいと思います。  DO-IT Japan 2010を経験して、息子は変わりました。今年の夏、DO-ITで、息子は貴重な何かをつかんできたという実感があります。 P.8 #自分の障害の困難さを無理に克服しなくてもその能力を補える 齊藤 真拓 私の障害であるアスペルガー症候群は、脳の障害です。私は自分の障害の困難さについて、「脳の中の事だから、車いすなどのような明確な支援機器は無く、自分の障害は自分の力だけで克服をしなければならない」と勝手に思っていました。そんな考えでいると、やはりどうしても克服できないことがあり、「克服できない自分は、やはり一般の人と同じ生活をすることが出来ないのだ」と希望が無くなり悲観的に感じてしまうこともありました。  しかし、DO-ITに参加した所、パソコンのソフトウェアやICレコーダーなどを支援機器として使うことで自分の障害の困難さを無理に克服しなくてもその能力を補えることが分かり、自分はとても無理をしていたのだなと気付き、とても気持ちが楽になりました。  また、同じく障害をもちながら大学進学を目指している仲間たちとも出会うこともできました。同じ目標をもった仲間たちと障害とは何か、学ぶとは何かといった様々な疑問について討論することでぼんやりしていた自分の未来像が確固たるものになってきています。この出会もDO-ITに行かなければ得ることの出来なかったかけがえのない宝物といえましょう。この仲間たちとは、今でもインターネット上で会うことが出来ます。そこでも意見を交換することで希望や発見などを日常的に得ることが出来るようになったのも変わったことの一つです。DO-ITを支援してくださっている先生方や企業の方々、学生のみなさんと出会えたのもこの企画に参加して良かったと思うことの一つです。DO-ITに関わっているだけでもこんなにもたくさんの方々が私たちの社会参加について考えていてくださっているのだなと思うと希望が湧いてきます。ここまでで何回か「希望」という言葉を使っていますがいちばん変わったのはその「希望」だと思います。自信に満ち溢れ、いろいろ新しいことに挑戦しようと思う意欲が湧いてきています。将来を目指すうえで一番大切なことをDO-ITは与えてくれたのです。 ■家族から 齊藤 里依  先天性心疾患等、病気がちだった息子が最後に頂いた診断名は『アスペルガー障害』でした。  昨年度特別聴講生と参加させて頂き、本年度スカラーとして参加させて頂いたことは『見通しが難しい』という障害特性をもつ息子にとって、大きな支援となりました。今年度の参加までにDO-ITの先生方の助言や先輩方の姿を目標に、息子の行動は『大学進学したい』という漠然とした夢物語から、具体な目標を見据えたものに変化してきています。  また今回の参加で、二次障害のために今まで公共の乗り物には一人で乗れなかった息子が、先端研まで1人で行くことが出来たのをきっかけに、帰宅後はバスと列車を乗り継いで市外にも出掛けられるようになりました。  先輩や同期スカラーの皆様、先生方、スタッフ、そして企業の皆様に厚く御礼申し上げます。貴プログラムを通して、志高い若者達が『自分の人生』を切り拓いて行く姿に、心からエールを送りたいと思います。 P.9 #「これでいいのか?本当に大丈夫なのか?」という気持ちをずっと持っていた 高柳 来未 今年、受験に失敗した私にとって、DO-ITは大きな前進だった。特に、テクノロジーについて学んだことは私の見方を変えた。一番印象に残っているのは、伊福部研究室で、聴覚・視覚・発音に障害のある研究員の話を聞き、実際に支援機器を使わせてもらった事だった。例えば、タッチペンを当てるだけで、母音が出せる機械や機械から吹いてくる風で方角を指し示すものなど、多くの驚きがあった。私の中で、ITといえば、パソコンや携帯電話のイメージが強かった。それに新たな発想を加えて、自分にとって、使いやすいものにするという考えは面白いと思った。「テクノロジーは使いづらいものだ。」という思いが消えた。  また、今回のプログラムに参加して、一人で生きる事の大変さを改めて、実感した。実際に、初めての電車の乗り継ぎで、切符を落として、皆に迷惑をかけた。「これでいいのか?本当に大丈夫なのか?」という気持ちをずっと持っていた。だから不安でたまらなかった。しかし、DO-ITで知り合った人達は、本当に優しかった。私が、どんなに焦っていても、失敗しても「自分のペースでやればいい」と笑って待ってくれた。障害者はいつもテストの点数や障害の度合いなど、目で見えるものだけで判断されがちだ。しかし、DO-ITの人達は、私と気持ちで接してくれた。私は本当にそれで期間中何度救われたことかしれない。本当に感謝しています。加えて、一人暮らしについて、本格的に考えるきっかけにもなった。バリアフリーの工事に補助金が出る事、生協などを使って、買い物をしている事など、今の状態では、なかなか自分で思いつく事は難しい。だから、仲間と共に一人暮らしの困難を想像し、話し合い、さまざまな人にアドバイスをもらった時間は、本当に貴重だった。  今は大学受験に向けて勉強している。来年の夏、大学生リーダーとしてDO-ITに参加したいと思っている。 ■家族から 高柳 正枝  正直なところ、DO-ITの参加には私自身少し不安があった。勉強に集中させたいという気持ちと、この夏の異常気象で体力が持つのか心配だったからだ。それでも今年は絶対に参加するという娘の強い意志に後押しされた感じだった。結果、DO-ITで得た物は私が想像していた以上の成果があった。体験の中から、こうしよう、ああしたほうがいい、と私に報告してくれた内容から今までと違う我が子をみた。それと同時に一番解っているようで、一番解っていないのが私かもしれないと改めて反省をした。Living Libraryの時、川端舞さんの話を聞いて、自分が娘に求めている事が、本人にとってどれほどつらいものかを知らされた。舞さんありがとう。  DO-ITの試みは、娘に希望とやる気を与えてくれました。これもひとえに関係者の皆様のお蔭だと、感謝しています。Do-ITが発信源となって、多くの障害者に生きる喜びをもたらしてくれる事を願ってやみません。本当に有り難うございました。 P.10 #同じように障害をもちながらも、大学や自分の夢の為に頑張っている人がいる 遠山 弘晃 今回のDO-IT Japanに参加していろいろな障害をもつ同世代の人たちや、大学生スカラーの皆さんと話をしたり、5日間行動をともにしたことは私にとって、とても大きなものでした。以前、私は少しでも健常者と同じように、少しでも近づけるようにと、焦っていましたが、今回のDO-ITに参加してスカラーの皆さんと話したり、講義を聞いたりして、今のままでも大丈夫で、社会へ出て行っても助けてくれる機関や人たちはたくさんあるのだと知り、自分に自信を持つことができました。  また、自分と異なる障害をもつ人と行動を一緒にして、どのような様なことで困っているのか、共感できるのか、どのような夢を持っているのか、など初めて気づくこともたくさんあり、違った世界を見ることができ、自分自身成長できました。  私は、大学進学後は独り暮らしをしようと思っています。ですが、不透明なところが多かったのですが、グループセッションなどで独り暮らしへ向けて何が必要かということが見えました。また、電車を使っての移動や目的地への移動時に、駅内で迷ってしまったり、ホテルへなかなか行けなかったりと苦労し、独り暮らしでの移動の大切さも知りました。迷いながらも、皆で相談したり、人に聞いたりしたことは、私にとってとてもよい経験になりました。独り暮らしに向けて、自分は何ができて、何ができないのか、ということも今回の参加を通して分かったので、それをどのように解決していくのかということは、これからの私の課題だと思いました。  なにより皆と仲良くなれて良かったです。同じように障害をもちながらも、大学や自分の夢の為に頑張っている人がいると思うと、自分自身励みにもなり、頑張ろうと思えます。また、ロボットや機械義手を作りたいという夢を再確認することもできました。こういった気づきや出会いの機会を与えてくれたDO-ITに感謝したいと思います。今回参加できて本当に良かったです。これからもDO-ITに関わっていきたいと思います。 ■家族から 遠山 由美子  高校に入学して、さぁどうやって子離れしようか?と、思っていたところに、校長先生からDO-ITのことを参考になればと紹介頂きました。  自立していってもらうには、本当に良い機会だと思いました。中途障害の彼は障害を受け入れられず、苦しんでいたと思います。  参加したことによって、多くの仲間に出会い、支えてくださる方々があることを知り、この夏、貴重な体験ができました。  息子が随分変わりました、一回りも二回りも成長したように思います。気持ちも楽になったようで、表情も柔らかくなったように見えます。  将来の目標も今まで以上にはっきりしたと、張り切っている彼の姿が微笑ましいです。  DO-IT Japanの関係者の方々に深く感謝致して居ります。  このプログラムがもっと多くの方に広がって、ハンディキャップのあるひとたちが、もっと楽に生きることができたら素晴らしいと思います。  これからの益々のご発展をお祈り致します。 P.11 #私は特別支援学校に通っているので、障害の多様性については理解できていると思っていました 永野 椎奈 DO-ITに参加して、たくさんの方と話をし、意見を交換し合いました。そこで得た知識・経験は、私を確実に成長させてくれたと思います。例えば、私は普段、点字ブロックの上でも平気で止まっていましたが、それは視覚障害の方の妨げになってしまいます。そのような当たり前のことを今回何度も指摘していただき、気付くことができました。また、私は特別支援学校に通っているので、障害の多様性については理解できていると思っていましたが、DO-ITでは私が今まで知らなかった障害をもつ方々とも出会い、それぞれが直面している困難があることを知りました。このような経験は、私の世界を見る目を変え、考えを深めてくれました。  5日間の中で特に大変だったのは、時間の管理です。プログラムは時間がきっちりと決まっていて、分単位で行動しなければいけません。私にとっては初めての東京だったので、電車の時間や移動にかかる時間がわからず、遅刻してしまったこともありました。中盤になるとようやく慣れてきて、気持ちにも余裕を持つことができましたが、これが5日間ではなく毎日続くかもしれないと考えると、大学生になるに向けて体力と気力を鍛えなければいけないと思いました。  5日間はとても充実していて、だけど短くも感じました。多くの人と接することができる機会がありましたが、もっとじっくり一人一人と話をしてみたかったというのが本音です。言いたいことも聞きたいことも、まだたくさんありました。だからこそ私は、DO-ITの魅力のひとつであるオンラインでの繋がりを大事にしていきたいと思っています。今のテクノロジーは進歩しすぎて私には使いこなせない、と敬遠していた部分もありましたが、上手く利用すれば生活を楽にできるし、何より、今回出会えた仲間と再び交流できます。このことは私の支えとなり続けます。多くの機会を提供していただき、本当にありがとうございました。DO-ITの一員として、これからもよろしくお願いいたします。 ■家族から 永野 真樹子  今回のDO-ITに、娘が初めて参加をさせて頂き、心より感謝を申し上げます。  正直なところ、当初は期待よりも不安の思いが強くあり、親としてどのように過ごせばよいのかと思っておりました。しかし、DO-ITまでのあいだ、子どもの元々持っている前向きな心と、DO-ITに対する大きな大きな期待の思いか、良い緊張とともに膨らんで行く姿を見て、喜んで送り出すことが大切であると思えるようになりました。  様々なプログラムにおいて、大学に入学するまでの壁の多さを感じましたが、たくさんの方との出会いを通し、これからの糧となってゆけるように親子共々、より成長できればと思います。中邑先生をはじめ、スタッフの方々の熱い想いに感謝をし、これからも子どもの力を信じ、見守って行きたいと思います。  ありがとうございました。 P.12 #DO-ITは参加する前から夢を叶えるためのスタートラインを僕にくれました 橋口 拓哉 僕がDO-ITを知ったのは母のおかげです。まだ自分の障害ことも知らなく、僕が学校から帰ってきたときに呼ばれ障害について教えてもらい、そうかぁと納得しこれが自分の障害で今まで大変だった「集中すること」が難しいのは障害のせいなんだと、おもいました。けれど、今まで見つけることができなかった「個性」がわかり、それが自分の「個性」だと思いちょっとうれしかったです。そして母が「まだ医学部に行きたいと思ってるの?」と言い、「微妙」と答えたら、「まだいける可能性があるよ、もし行く気があるならこれに参加してみない?」とDO-ITの応募用紙を渡され、一度諦めかけていた児童精神科医になるためにも、いろいろな人にもっと会って話したいと思い参加を決めました。だからDO-ITは参加する前から夢を叶えるためのスタートラインを僕にくれました。  そして、参加一日目にみんなに会ったときに仲良くなれるかなと緊張しました、夜ご飯の時自分たちでお店を探すのが大変で人に聞くということを覚えました。二日目では、マイクロソフト社でランチの時自分から話しかけられるようになり、まだ慣れてないけど夜にみんなと話をして、慣れてきていつの間にかみんなと仲良くなってとても楽しかったです。そして三日目は自分を意識できた日でした、新しいチューターと行動をするときに僕は都会に慣れているから歩くのが早すぎてみんなを置いてきぼりにしてしまい、チューターに「後ろを見て」と言われ自己中心な行動をしていたことに気づき、それからは後ろを見るようにしたり、みんなの後ろを歩くようにしたりといろいろな工夫をしました。部屋替えで自己紹介をして自分はこの人に何ができるかを考えながら話を聞くようになりました。四日目は、今まで学んだことを生かしながら行動しました。まだ自分にとって足りないことはいっぱいあるのでそこをできる限り埋められるようにDO-ITの五日間は終わったけど、頑張りたいです。 ■家族から 橋口 亜希子  DO-ITを知るまでの私達親子は、思春期に入り更に感情や行動をうまくコントロールできないADHDをもつ拓哉と、親でありながら頭では理解していても感情がついて行かない私達と衝突が絶えず、未来に不安を抱いていました。  しかし、DO-ITを知って拓哉のベクトルが未来へと一気に向きました。自分の特性がADHDであると自分自身を知って障害を前向きに捉えたこと。やる気がおきず、成績が低いから医大には行けないと一度はあきらめた「亡くなった主治医のような児童精神科医になりたい」との夢をもう一度決意したこと。私は資料作成だけでも意義があったと実感しています。  そして実際に参加して拓哉は、様々な障害をもつ仲間と触れ合って他者理解の大切さと自分らしさを見つけ、夢に向かって困難に負けずに純粋に進んでいく仲間達の姿に影響されて、自分がどうあるべきか自己管理に目を向けられるようになりました。  5日後に大きく変化した拓哉を見て、ある意味親として寂しさを感じました。それは自らの手で人生を切り拓く「自立」を目的としているDO-ITを通して、今までは私達が拓哉の手を引っ張って生きてきましたが、これからは拓哉の後ろに立ち背中を見守って生きていく「子離れ」を実感したからです。  DO-ITを通して私達親子は、未来に希望の光を見出すことができました。「人はその人にしか果たせない使命を背負って産まれてくる」そう信じる私は、拓哉と彼の同志であり友である参加者の皆さんが、幸せを噛締めながら、その使命をみつけ果たしていくことを、切に願います。 P.13 #一番参加してよかったと思ったことはいろんな障害をもった人たちと話したり、友達になれたことです 森 雄大 DO-ITに参加する前、僕はとても不安の気持ちでいっぱいでした。参加要項は事前にいただいた資料で研修内容や参加者等を確認していましたが、うまく5日間みんなとうまく話をしたり、仲良くできるか心配でした。  実際にDO-ITに参加して僕は今の日常の生活で体験できないことを経験したくさんのことを学び、多くのものを得ることができました。  僕が一番大変だと思ったことは電車を利用した移動です。東京都内は多くの電車・地下鉄が走っており、移動には不可欠なものです。新宿駅はとても広くていろんな電車が通っていたので、どれに乗れば目的地にたどり着けるか、自分たちだけで電車を探すのがとても大変でした。一つ電車を間違えると違う方向へ行ってしまうので駅員のひとに聞いたりしてなんとか電車に乗ることができました。慣れるまで一人での電車の移動は大変なんだなぁと感じました。  僕が一番参加してよかったと思ったことはいろんな障害をもった人たちと話したり、友達になれたことです。僕は小中学生の時は自分の障害について深く考えたことがなかったので、DO-ITに参加していろんな障害をかかえた人に出会えて、障害をかかえているひとの体験や苦労話等を聞けて自分自身の障害についても見つめなおすことができました。みんなとの会話はとても有意義なものでした。  企業訪問ではこれからの社会に必要なIT機器の操作方法などを教えていただき、これからもっともっと自分でさらに勉強の必要性を感じました。来年のDO-ITでは、成長したスカラーのみんなとあうことがとても楽しみで、自分自身も切磋琢磨し成長していきたいです。障害があることを恐れず、何事にもチャレンジしなければならないと思わせた5日間でした。  DO-IT事務局・スカラー・参加者皆さんに感謝。 ■家族から 森 良枝  DO-IT Japanに参加させて頂きまして本当にありがとうございました。  このセミナーで心からうれしかったことは、雄大が「お互いの悩みや苦しみなどを共に励ましあい成長する力にできる仲間」と知り合えたことです。  小中学校、そして高校と社会への入口に近づくにつれ、親でもわかってあげることができない「障害」という壁にぶつかることも多くなってきたと思います。  現に高校進学では実験が見えにくいから危ないという理由で、希望の学科の受験はできませんでした。  身体の障害への悩み、時にはなぜ自分だけが・・といういらだちもあることでしょう。  でもDO-ITの仲間がいれば、立ち向かう勇気もでてくるとおもいます。  中邑先生はじめたくさんの先生方、DO-ITのスタッフの皆様本当にお世話になりました。  皆様とのこの出会いが雄大の心の成長や大学、就職へとつながる「道しるべ」となると思います。  そして皆様の出会いに感謝をこめて「自分なりに精一杯進む」ことのできる人間になってほしいとおもっています。  一人暮らしをしている大学生のスカラーの皆様、、親として勇気と希望をいただきました。  どうかどうか、精一杯自分らしく前に進んでいくことを心より応援しています。 P.14 #障害や困難が違ったとしても、それを乗り越えて、社会に貢献したいという志は、全く同じだと思います 山 康彬 DO-IT Japanプログラムを通して、私は、大学生活をイメージすることができました。なかでも、一番印象に残っているのが、都内やキャンパス内の移動についてです。私は、介助なしで、電車などを使った長距離移動をしたことがありませんでした。そのため、大学生活でも今までと同様に、手動の車いすで移動できると思っていたのです。しかし、予想外に長く、そして急な坂を目の前にした時、電動車いすの必要性を痛感しました。そこで、DO-IT期間中に電動車いすを試乗する機会があり、実際に操作したところ、上り坂や芝生の上でも、風をきって走ることができました。だから、大学生活に向けて、電動車いすの導入を検討したいと考えています。  そして、このDO-ITで、さまざまな障害をもつ友達ができました。私の障害は、脳性麻痺による肢体不自由ですが、視覚障害や聴覚障害、高次脳機能障害などの、私と違う障害をもつ友達と出会うことができたのです。私は今までに、私と同じ肢体不自由の障害をもつ友達としか会ったことがありません。だから、これ以外の障害について理解することは、容易ではありませんでした。しかし、障害は、一人ひとり違いますが、どんな障害にせよ、まだ社会に困難があることはよく分かります。そしてその困難を克服し、学校や社会に出るために、それぞれが努力をしていることは、よく分かるのです。たとえ、障害や困難が違ったとしても、それを乗り越えて、社会に貢献したいという志は、全く同じだと思います。 次回のDO-ITまで、スカラーのみんなとは、はなればなれになりますが、私たちは、オンラインメンタリングで繋がっています。私には、障害を抱えながらも頑張っている同志が、全国にいると思うだけで、私は強く励まされ、エネルギーが湧いてくるのです。だから、メールやチャットを通して、障害のある友達同士だから相談できる悩みを共有し、励ましあいたいと思います。そして、次回のDO-ITで再会したとき、互いの歩みや成長を、一緒に喜びたいと思います。 ■家族から 山 忠文  DO-IT Japanプログラムの存在を康彬から初めて聞き、熱い参加意向を語られたときは、正直驚き、また交通機関の乗り継ぎのことを考えると、不安でなりませんでした。初めての一人旅、しかも喧騒の大都会東京です。元来、康彬は養護学校から一般の学校への転校を自ら希望したように、一般集団の中での活動を志向する子です。自らの可能性を切り開いていこうという姿勢に親としても胸を打たれ、OKを出しました。その後の、移動の際のサポート要請など彼の準備は素早く、予想以上の成長ぶりを見せてくれました。障がい者のノーマライゼーションは確実に進んできていますし、その歩みを止めてはいけません。そのためには障がいをもつ人たちが、整備された仕組みを利用して社会参加し、障がい者も幸せになれるという実績を示すことが何より求められると思います。そういう意味で、大学進学を通じて社会参加を後押ししていただく、DO-IT Japanの関係者の皆さまに感謝し、康彬を含む11人の仲間にエールを送ります。 P.15 #ーDO-IT Japan 2010 社会体験プログラムー 主催 DO-ITJapan 主催 Univ.TokyoRcast 共催 Microsoft 共催 FUJITSU 共催 SoftBank 協力 SHISEIDO 協力 OKI 協力 株式会社トヨタレンタリース東京 協力 OLYMPUS 協力 株式会社毎日新聞社 協力 KEIO PLAZA HOTEL 協力 Yakult 協力 Asia Cancer forum  http://www.asiacancerforum.org/ 以下の大学・機関の先生および学生の皆様にもご協力いただきました。 愛媛大学 香川大学 関西学院大学 慶応義塾大学 国立看護大学校 国立病院機構徳島病院 星槎大学 筑波大学 日本社会事業大学 日本大学 日本福祉大学 ワシントン大学 早稲田大学 (五十音順) P.16 ##2年目以降のプログラム #新しい技術を活用したノートテイクで、効率的に情報収集・整理し、考える力を身につける/マイクロソフト株式会社 #新しいノートテイキング 障害や病気をもつ若者にとってITを活用することは、自らの能力を発揮する上で強力なツールとなります。ところが、多くの人は、身近にあるIT機器が持つ力に気づいていません。 DO-IT Japanは、身近にあるITツールを組み合わせることで、日常に存在する困難を低減することができると考え、困難を抱える若者たちへ積極的な活用を勧めています。2010年度は、その一つの試みとして、デジタルノートソフトウェア、スキャナー、携帯電話を組み合わせることで、困難を抱える学生のノートテイクに新しいソリューションを提案しようと考えています。その鍵となるのが、マイクロソフト、富士通、ソフトバンクモバイル各社のもつ先進的製品を活用することです。今後このような企業コラボレーションの輪が広がっていくことで、新しいエンパワメントツールが生まれ、困難を抱える人々を新しい社会へと導いていくことができるでしょう。 今回、私は大学生として2度目のDO-ITプログラムへ参加させていただきましたが、より多くのことを学んだのではないかと実感しています。 マイクロソフト社での実習では、支援技術をいかに活用していくのかということについて学びました。その中で使い方を学んだMicrosoft OneNoteは、非常に画期的なソフトであるという印象を受けました。従来のワープロソフトでは、決められた行や枠内にしか文字を入力することができませんが、OneNoteでは、自分の好きな場所に、キーボード入力やマウスなどで手書き入力した文字を書くことができるという点が非常にすぐれていると思いました。普通のノートに鉛筆でメモするような感覚で使用できることで、まさにデジタルノートになります。さらに、ICレコーダーやスキャンスナップなどの機器と組み合わせることにより、OneNoteを効率よく活用し、一つのノート上でプリント資料や音声情報、メモ等を整理できるので、手指が動きにくく、細かい動作が困難な私にとっては非常に便利です。まだ、使い慣れていない部分もありますが、今後、大学の講義や自宅学習などで私たちがOneNoteを活用し、意見や感想を反映させていくことにより、多くの人々がこのようなソフトの存在を知り、さらに使いやすいソフトへと発展することを願っています。 (國光良 07年度スカラー/筋ジストロフィー) P.17 ##社会に向けてメッセージを発信できる人を目指して #相手に効果的にメッセージを伝え、議論をする力を身につける/富士通株式会社 今回のDO-ITではOneNoteやScanSnap、ICレコーダーを組み合わせた新しいノートテイキングの方法を教わり、わかりやすいノートが簡単に作れることを学びました。資料をスキャナーで読み込み、パソコンだけで教科書・ノート・資料を1つにまとめられるので整理も簡単にでき、試験勉強も効率よくできそうだなと思いました。大学の講義にもこれらの技術を活用していきたいと思います。また、プレゼンテーションやリビングライブラリーでは「自分の考えを相手に伝える」ことの難しさと重要さを実感しました。富士通社でのプレゼンテーションでは、資料や話し方によって伝わり方も異なることを学びました。働くことについて考えていく中で、富士通の方のプレゼンを聴き今まで就職に対して持っていた怖いイメージから、自分の夢を探したり明確にするチャンスととらえることでイメージが変わり前向きに考えられるようになりました。また就職することが目的ではなく就職という手段によってそのあとどうしたいかを考えることが大切という言葉がとても印象的でした。就職することが目的のように思ってしまいがちでしたが、これから社会に出ていく上で手段が目的化していないかということを常に考えて行動しようと思いました。今後は今回の経験で得たことをもとに就職について具体的に考えていきたいと思います。 (関根彩香 08年度スカラー/頸髄損傷) 私が、今回DO-IT Japanのプログラムの中で見つけた自分の課題は、自分の障がいとそれによって生じる困難を、他の人に判るように伝えられるようになる、という事です。 私は今回のプログラムの中で、パソコンを使って、「働くことに対する不安」というテーマでプレゼンテーションを作り、それを発表しました。発表をする中で気づいた事は、自分がどんな障がいをもっているかは判っていても、そのためにどんな事で困っているのか、ということを、まだ他の人に対して上手く説明することができない、ということでした。自分で自分の事が判っていないと、痛感させられました。 私の今後の目標は、自分自身の事をもっと良く知り、それを他の人に伝えられるようになる、という事です。高校までは、両親が学校に私の障がいについて説明し、理解してもらえるよう働きかけてくれました。しかし、これからは社会の中で生きていくために、自分で自分の苦手な事と、出来る事を把握しておかなければなりません。それが出来なければ、誰かに支援を求める事も難しくなります。今回は最終日にリビングライブラリーの活動を行いましたが、それも自分の事を他の人に伝える、良い練習になったと思います。 私は今年から、DO-IT Japanの大学生リーダーになりました。私は、DO-IT Japanの後輩達に生き方のモデルを示せるようなリーダーになりたいと思っています。その為にもまずは自分自身を見つめなおして、その上で自分に出来る事は何かを考えていきたいと思います。 (市川樹 08年度スカラー/アスペルガー症候群) P.18 ##2年目以降のプログラム #CM作成を通じて、期限のある中で考え、結果を出すことの重要性を経験する/ソフトバンクモバイル株式会社 ソフトバンクモバイルでの企画・発表体験では、中々頭が働かず、自分の無力さを感じました。こんな難しいことを出来てしまう社員さんたちはすごいとも思いました。 私の障害は広汎性発達障害です。広汎性発達障害は、対人関係の形成や想像することが苦手で、コミュニケーションが下手で、姿勢の崩れ、多動や不器用さをもつなどの特徴がある発達障害です。また、今はうつ状態でもあり、波はありますが、気力や思考力が落ちていたり興味や感情が失われたりマイナス思考になったり、どうしてもぼーっとしてしまったりするときが多いです。自分が何に困っているのか、どうしたらその困難とうまく付き合えるかがまだ自分で把握できていないので、少しずつ把握していき説明できるようになりたいです。 (大町祐太朗 09年度スカラー/アスペルガー症候群) 企業訪問などの体験から、一つの仕事や事業には多くの方が関わっていることも学ぶことが出来、社会の仕事や多くの商品に対する見方が変わりました。今回社会体験プログラムでは本当に多くの方々の仕事について学ぶことが出来ましたが、やはりすべての人がうまく関わりあい仕事をし、会社を動かしている様子を見ることが出来ました。 そういった経験の中で、自分の中の一番の発見は人間関係の大切さを学べた事だと思います。多くの仲間と話をしたり、社会での人と人との関わりを間近で見ることで、仲間や人との関係の大切さに改めて気付きました。 (寺島正樹 09年度スカラー/ラルセン症候群) 私には高次脳機能障害による失語症があるため、ソフトバンクでの研修の限られた時間の中で企画を考えるということがとても困難に感じました。同じグループの人と案を出し合っていく中で、相手に伝わるような言い回しが上手くできない自分に飽きれ苛立ち、その日は夜中まで一人反省会をしていました。社会に出て働くとなれば、今まで以上に伝えることの難しさに直面するだろう。失語症とどう向き合いどう克服するか、またはどう付き合っていくべきか、残りの3年間半の間に少しでも多くの方法を考えていかねばならないと強く感じています。 (加藤あすみ 09年度スカラー/高次脳機能障害 肢体不自由) P.19 ##社会に向けてメッセージを発信できる人を目指して #化粧と写真撮影を通じて自己表現を学ぶ/株式会社資生堂/株式会社毎日新聞社 #社会生活のなかでの場に即した立ち居振る舞い方を身につける/京王プラザホテル P.20 ##さまざまな企業に支えられるDO-IT Japan ■沖電気工業株式会社 夏季体験プログラム準備期間に、配付資料作成用の印刷機をご提供いただきました。DO-ITでは多くの資料を印刷するため、高速大量印刷のできる高性能プリンターが大活躍でした。 ■オリンパス株式会社 2010年度スカラー全員にICコレーダーをご提供いただきました。スカラーはメモにICレコーダーを活用しています。 DM-4はテキスト音声読み上げに対応し、読みに困難のある人に役立ちます。 ■株式会社トヨタレンタリース東京 夏季体験プログラム期間に、リフト付き車両をご提供いただきました。 自力での移動が体力的に難しいスカラーの移動に、車いす対応の車両を使わせていただくことができ、とても助かりました。 ##リビングライブラリー 仲間と障害について考え、それぞれが自分の障害を語る中で、障害とは何かについて考えるよい機会となった。その中で初めて気づかされたことがある。“障害は不便であっても不幸でない”というが、本当にそうだろうか。時には障害者である自分を不幸と考えてもよいのではと思っていた。障害をポジティブに捉え、明るく生きるのはよいが、やはり障害をもって生きるのは大変なことも多いのだからと考えていたためだ。誰でも(当然健常者も)できないことがあれば落ち込むのだから、それを理由に落ち込んでもいいと。自分では20年間も障害児・者として生活してきているので、このことについて考え、自分なりの答えをもっていると思っていた。 特に、大学に入り、心理学を学ぶ中で、「自分は何者なのか。」を知りたいと思う気持ちが強くなり、その過程において、私と障害は切り離せない関係にある。自分の障害を考えるうえでそれを傍観者のように見つめることも必要であるとプログラムを通じて痛感した。障害者としてしか生活した経験がなく障害は自分の一部であるため、考えていたつもりでいて社会の中で障害がどう位置づけられているのかについて考えたことすらなかった。 リビングライブラリーに参加して、特にそのことを実感した。前日に内容や手段を決定したため、明らかに準備不足で、何を伝えたいのか自分の中で明確化できなかった。私自身がわかっていないものを相手に伝えるなんてできるわけがない。もちろん、話す際は、伝え方も工夫しなくてはならないが。 人に何か伝える時は、伝えたいことを明確化し、相手に届く言葉や距離がカウンセリングでは大切だという。もちろん、リビングライブラリーの活動と心理臨床の場面で行うことは異なるが、言葉を用いて、明確に伝えてゆく点は共通していると思う。心理士を目指すものにとり、自己理解は大切であると言われるが、障害について考えることは、自己理解をしていくために必要なプロセスである。 (吉田佐保子 07年度スカラー/脳性まひ) P.21 ##小中学生向けプログラム #自分たちの困難を解消するテクノロジーについてリテラシーを身につける DO-IT Japanでは障害や病気による困難を解消するために、テクノロジーを利用することをスカラー達に教えています。手で文字が書くことが困難な人にはワープロ、考えをまとめることが困難な人にはマッピングソフトの活用といったように、困難に対して支援技術を用いることで、本人の本当の力が発揮できるような環境を整えることが大切だと考えているためです。しかしながら、テクノロジーの利用にもいくつか問題があります。それは、普段からそれらテクノロジーを使っていないと、いざ受験や就職という場面に出会ったときに、うまく活用できないのです。また、このようなことの背景には、それらテクノロジーを使うことで自分の困難を解消できるということを、そもそも知らないということもあります。自分の困難が解消できる技術が身近なところにあるにも関わらず、それを知らないために必要以上に努力を重ねる中で、心が折れてしまう人たちもいます。DO-IT Japanでは、そのような問題に対し、小・中学生という早い時期から、テクノロジーの活用について知らせていく必要があると考え、本年度より小中学生プログラムを開始しました。 #プログラム内容 ・自己紹介をしよう ・障害とテクノロジーの関係について知ろう ・障害のある人がどのように働いているのか見てみよう ・テクノロジーを体験してみよう ・肢体不自由グループと発達障害グループに分かれて、グループワーク #参加者の感想 ・iPadが楽しかったです(脳性まひのある小学6年生) ・iPadがあれば重い教科書を持ち運べることがわかりました(肢体不自由のある中学2年生) ・テクノロジーを使えば漢字を書くことができました(LD・アスペルガー症候群のある小学6年生)) ・勉強法のヒントが得られました(書字障害・アスペルガー症候群のある中学3年生) P.22 ##一般公開シンポジウム #障害のある学生の大学進学に不安を抱える子どもたち・親御さんたちのために 〜高等教育での障害学生支援の広がりと残された問題〜 高等教育への進学を望む、障害のある学生本人を取り巻く状況は、依然厳しい状況ですが、日々、変化を続けています。障害学生の高校から大学への移行についての情報を共有するために、公開シンポジウムを行いました。 #シンポジウム前半 障害のある学生の進学を取り巻く最新の話題 ■話題提供者1 荒木昌美氏(日本学生支援機構学生生活部特別支援課) □「障害学生に関する実態調査および教職員研修プログラム」 高等教育機関における障害学生の数は漸増しており、平成20年5月で6,235人、学生全体の0.19%となった(http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/chosa0801.html)。また、日本学生支援機構の新たな取り組みである、教職員向けの障害学生支援に関するガイド(http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/guide/top.html)や研修プログラム(http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/kentouiinkai.html)が紹介された。 ■話題提供者2 樋口一宗氏(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課) □「高等学校での障害学生支援」 平成19年度から行われている高等学校における発達障害支援モデル事業(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/06/1268884.htm)を中心に、高校での多様な取り組みが紹介された。 授業、テストおよび評価の工夫、進路指導の取り組み事例(しかし、進学支援についての検討はあまり行われていない)。親や教師共同での障害理解に関する勉強会を通じた、周囲の理解啓発、ワークショップによる生徒の自己理解支援。その他、生徒ごとに個別の支援チームを作る取り組みや、週に一回の障害学生についての校内委員会の実施、特別支援教育コーディネータ複数指名、自習室の設置、スクールカウンセラーの増員など、高校における多様な支援事例が報告された。 ■話題提供者3 高橋知音氏(信州大学)信州大学・学生支援GP □「なぜ進学後につまづくのか・高校までの『学校』と大学の違い」 (http://www.shinshu-u.ac.jp/good_practice/s_support/)を通じた大学での支援の取り組みと、障害学生自身が意識すべきポイントについての発表。大学では、大人として自立と自己決定が求められるようになる事実、「得意・不得意」での進路選択の必要性、早めの支援を自ら求めることなど、自分の強みを生かすための工夫が紹介された。 ■話題提供者4 上野一彦氏(大学入試センター/東京学芸大学) □「大学入試センター試験と『発達障害』特別措置」 これまで提供されていなかった読み書き障害やADHD、自閉症スペクトラム障害など発達障害への特別措置が新設され、平成23年度のセンター試験(2010年9月の出願)から、開始されることが報告された。 上野先生ブログの関連記事は http://edublog.jp/kaz1229/archive/195 P.24 Diversity(多様性)-Opportunities(社会)- Internetworking(インターネット活用)-Technology(テクノロジー) ##DO-ITで社会を変える たとえばアメリカと比較すると日本の障害学生数は非常に少ないといえます。 アメリカの障害学生数10.8% [出典]国立教育統計センター(2008) 日本の障害学生数0.2% [出典]日本学生支援機構(2009) ケース1 筋ジストロフィーで鉛筆での筆記が困難なため、PCのワープロソフトでの回答許可を申請 ↓ 志望大学よりPCのペイントソフトでマウスを用いて記述するよう回答(本質的解決とはほど遠い) ケース2 高次脳機能障害による視野狭窄と半側空間無視のため、回答時間延長を申請 ↓ 入試センターでは視能率90%未満のため却下(数値のみで判断される) DO-IT Japanでは、全国から選抜された障害のある、あるいは病気を抱えた高校生、高卒者にコンピューターとその人の困難に応じた支援機器を提供し、大学進学や将来の就職という本人の希望の実現をお手伝いします。 DO-IT Japanでは、そのプログラムの中で、自らの困難について他者に伝え、それによって合理的な配慮を得られる力を身につけてもらうことで、次世代の社会を担うリーダーを育てます。 #DO-ITの活動の未来 ・DO-ITを通じたデータ収集 ・HP及びセミナーを通じた ・学生への情報発信と支援 ・障害支援学の体系化 ・障害者雇用率の上昇 ・バリアフリー社会の実現 2007年 2008年 障害学生在籍率 0.2% 約5400人 2009年 DO-ITスカラー43人 2015年 障害学生在籍率 0.5% 約10000人 DO-ITスカラー約100人 2020年 障害学生在籍率 2.0% 約40000人 DO-ITスカラー約150人 P.25 ##Process April 募集  パンフレットと応募要領の配布、Webからのダウンロード 参加希望者は応募書類・推薦書・同意書を作成 May 応募 5月17日から6月4日まで June 審査 応募書類に基づき、審査委員会によって参加候補者を選考 June スカラーへのヒアリング審査 生活の様子、勉強、コンピュータの利用、障害のことなどについて事前にヒアリングし、参加者を最終決定 June 合格発表 審査に基づき11名のスカラーを選出 July 大学体験プログラム 5日間親元を離れ、企業での実際の就労状況の見学、大学の体験、テクノロジー利用法の学習、障害のある当事者同士のコミュニケーションなどを学ぶ August オンラインメンタリング開始 スカラーは無償で貸し出されたコンピューターを通じて、今後ともDO-IT Japanと連絡を取り合う。 これによって学業や将来の就職に関する情報を交換し、自らの成長につなげてゆく to be continued... ■DO-ITJapan スカラー データ □スカラーの障害内訳 高次脳機能障害 4名 聴覚障害 4名 視覚障害 4名 発達障害 8名 肢体不自由 23名 盲ろう 1名 2007年度スカラー 11名 2008年度スカラー 11名 2009年度スカラー  9名 2010年度スカラー 11名 □スカラーの出身地 2009年度以前 北海道 茨城県 群馬県 埼玉県 神奈川県 静岡県 愛知県 福井県 京都府 兵庫県 岡山県 広島県 山口県 福岡県 熊本県 2010年度参加 福島県 千葉県 東京都 神奈川県 長野県 石川県 和歌山県 鳥取県 香川県 佐賀県 ■DO-IT Japan 実績データ DO-IT大学進学者数    2007年度 スカラー数11 合格者数10 2008年度 スカラー数11 合格者数8 2009年度 スカラー数9 合格者数1 ※スカラー数には高校在学中の者が含まれます □2010年度のメディア掲載 TV NHKニュース 2010/8/5 □インターネットニュース 日本経済新聞 2010/8/5 毎日jp  2010/8/5 PC Watch 2010/8/5 IT PRO 2010/8/5 PC Online 2010/8/5 ケータイwatch 2010/8/6 IT PRO 2010/8/6 PC Online 2010/8/6 日経BP 2010/8/9 裏表紙 ■主催 DO-IT Japan 東京大学先端科学技術研究センター ■共催 ソフトバンクモバイル株式会社 富士通株式会社 日本マイクロソフト株式会社 ■協力 アジアがんフォーラム 沖電気工業株式会社 オリンパス株式会社 株式会社 京王プラザホテル 株式会社 資生堂 株式会社 トヨタレンタリース東京 株式会社 毎日新聞社 株式会社 ヤクルト本社 ■後援 厚生労働省 文部科学省 (五十音順) DO-IT Japanに関するお問い合わせはこちらまで  http://doit-japan.org/ 発行元 :DO-IT Japan事務局 (このファイルの内容は以上です)