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学習における合理的配慮研究アライアンス
Research Alliance for Reasonable Accommodation

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試験における配慮申請とその事例

センター試験を実施している大学入試センターでは、障害などにより受験時に配慮を受けたい場合には「受験特別措置」を申請することができます。例えば、全く目の見えない全盲の人は、診断書などを提出することで、点字の問題用紙を読んで点字で回答することが認めらたり、車椅子を使用している人は、アクセスしやすい試験会場をアレンジしてくれたりします。

しかし、障害のある受験生の立場から見れば、その配慮申請には下記のような問題も残されています。

配慮決定の時期の問題
  • 大学入試センター試験で、実際にどのような配慮が受けられるか決定するのが 12 月のため、1 月に行われる試験の直前となり、許可される配慮の状況にあわせた受験の準備が難しい。
  • 特別措置の申請や申請先の機関との交渉が必要。複数の大学を受験する場合はすべての大学と個別に交渉・協議が必要となるため、受験勉強以外にかかる負担が大きい。
配慮内容についての相談先の問題
  • これまで、どのような困難がある場合にどのような個別の配慮が受けられてきたか、または許可されなかったかは、詳細な情報が大学入試センターやそれぞれの大学では公開されていない。そのため、受験生が自分自身の個別ニーズに対する配慮が実際に認められるかどうかを予想しにくい。
  • 特別措置を申請する際に、希望する措置の内容とその合理性について、根拠を示した適切な説明の仕方 (例: 延長時間などの根拠になる検査データ取得) についてアドバイスできる機関が少ない。
  • 普段の学習をパソコンで行っていても、学習場面でパソコン等の IT 機器利用が一般的ではないことから、試験でパソコン利用が許可されるかどうかがわからない。または、パソコン利用やその他の配慮が許可されるケースがあることを受験生自身や教師等が知らない場合もある。
配慮内容の問題
  • 時間延長を受けた場合、一日の受験時間が長くなるため、障害や疾患のある学生の体力的に大きな負担となる (別の日程に分けることができない)。
  • 認められる時間延長が、1.3 倍の時間延長を基本として、点字受験と数学のみ 1.5 倍と二種類に限られる。そのため、たとえば書字に極端に時間がかかる場合でも、相応の時間延長は認められない。
  • 試験問題を読むために、パソコンによる音声読み上げや人間による代読が必要でも、大学入試センターでは特別措置のメニューにそれらが含まれていない。
  • 大学入試センター試験の特別措置は障害種別 (視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、発達障害、その他) ごとに申請できる配慮内容が分類されており、個別のニーズに基づいたものになっていない。そのため、例えば高次脳機能障害や神経難病など、障害種別が用意されていないものでは、重篤な困難があっても配慮が得られないことがある。

このページでは、どういう困難のある人が、どのような申請をして実際にどう試験を受けたかを情報公開していきます。(情報は随時更新していきます)

A さん (北海道在住)

学習における困難
筋ジストロフィーによる肢体不自由で鉛筆での書字が困難。
普段の学習方法
スクリーンキーボードとトラックボールを使ってパソコンを操作し学習に用いる。
配慮申請内容と結果
大学入試センター試験や、ある大学の二次試験の際に、国語、英語の解答や数学等の計算過程、小論文を書くために PC でのワープロ利用を申請したかったが、事前相談の結果、認められそうにないことがわかった。そのため、ワープロではなくペイントソフトにマウスを使って文字や数式を書くことを申請し、許可された。

B さん (茨城県在住)

学習における困難
脳性麻痺による肢体不自由で不随意運動があり鉛筆による筆記が困難。
普段の学習方法
通常の学習やテストではパソコンを使ってノートを取ったり、テスト問題への解答を記入している。また、特に数学では、計算過程を書くために数式ワープロ「MathNote」を利用。計算機能はなく、数式を書く機能だけがある。高校での試験でも使用が認められてきた。
配慮申請内容と結果
大学入試センター試験の際に、パソコンで数式ワープロ「MathNote」の使用を申請し、認められて受験。普段の学習で長年使用していたこと、ソフト自体に計算機能がないことの証明や、紙に手書きで文字を書いた場合にかかる時間とキー入力した際の速度の違いについての検査結果を示すなど、使用の妥当性についての根拠を示すことができたことが、使用を認められた要因の一つだと思われる。

C さん (鳥取県在住)

学習における困難
アスペルガー症候群の診断を受けている。書字障害がある。
普段の学習方法
書字の困難を軽減するために、パソコンのワープロで文章を書いている。また、DO-IT で「Microsoft Visio」の「ブレーンストーミング」テンプレートを使い、苦手に感じていた自分の頭の中の考えを整理して表現することができることを知り、活用し始める。(Visio を使っての学習の事例はこちらをご覧ください)
配慮申請内容と結果
国立大学の AO 入試で小論文の PC 利用 (ワープロソフトでの文章の入力) が認められ、合格。

独立行政法人日本学生支援機構の「障害学生受入促進研究委託事業 (高大連携)」でも、障害のある学生の大学進学の現状、入試における特別措置の調査研究や、各大学の調査研究を見ることができます。

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